(経緯について)
 耐震偽装問題について、国交省は二つの委員会(構造計算書偽装問題に関する緊急調査委員会及び社会資本整備審議会建築分科会基本制度部会)を立ち上げておりますが、この両委員会に当連合会の穐山精吾会長が委員として出席しております。
 緊急調査委員会はすでに12月16日、12月26日にそれぞれ第1回、第2回の会議を開催しております。さらに基本制度部会の方は、12月19日に第1回を開催しております。しかし、これまでの緊急調査委員会の議論では、被害者に対する救済措置や、一般のマンション居住者が抱いている自分達のマンションに対する不安を取り除くための話しはまったく出ておりません。
 このような事情から全管連では、被害区分所有者や一般のマンション居住者の不安を解消するために、緊急の全管連理事会を京都で開催いたしました。そこでまとめた意見が、『2006年1月16日付け全管連意見書』であります。
 1月17日のヒューザー小嶋社長に対する国会の証人喚問によって、今回の問題が想像していた以上に根深い問題であることが、さらにはっきりしてきました。私たち全管連は、マンションに安心して住むことができるようにしていくため、今回の問題について、管理組合、居住者の立場で政府、業界に対して意見を主張していかなければならないと考えております。1月18日、16時より開催されました第3回緊急調査委員会において、穐山会長が、この全管連意見書に基づいて、意見を述べております。
 
 
2006年1月16日
 
 
 
 
構造計算書偽装問題にかかる全管連意見書
 
 標記問題について、被害を受けた区分所有者の救済と、このような問題の再発を防ぐための具体的な方策として、以下の3点を意見として申し上げます。ご検討の程よろしくお願い申し上げます。
 
1.被害区分所有者救済の方策
  被害区分所有者に対する救済策として、具体的に次のような方策をとることを提案します。
@



被害マンションの区分所有者に対してローンを組んでいる金融機関は、建物に瑕疵があることから担保力がなくなるので、ローン契約を破棄する。
[税金(公的資金)によって倒産を免れた金融機関には、この際、社会・国民へなんらかの貢献をすることが必要では]
A

@によって、購入者はローン支払いがなくなる。また、敷地及び建物は分譲業者に返還する。
[売買契約の解除]
B 金融機関は、購入者に貸し付けた金額(実際には分譲業者に渡っている)の返還を分譲業者に請求する。
C

購入者が、敷地・建物の登記を解除した後にそれらを分譲業者に返還するが、この際、慰謝料及び損害賠償金を分譲業者に請求する。
D

分譲業者は、金融機関が購入者に貸し付けた金額を金融機関に返還するとともに、購入者に慰謝料及び損害賠償金の支払いを行う。
E 国及び地方自治体は、住宅を失う被害者に対し、住宅の確保・移転等の費用等を支援する。
 
2.確認・検査情報の公開義務化
 今回の問題の発端となった確認・検査制度について、原因の一つには、それらの情報がマンション購入者をはじめとして、一般の国民に公開されていないことがあげられます。情報が閉鎖されているため、確認・検査制度の中で行われている内容が、一般の国民には理解できないようになっていることも、制度の運営自体が密室化する大きな原因になっています。
そのような実態を改善し、購入者が建物の内容をより正しく理解できるようにするため、確認及び検査(中間検査と完了検査)の内容をすべて公開することを義務化するよう確認・検査制度の改善を求めます。
 また、確認・検査内容の公開を行うことを販売の条件とすることによって、青田売りの被害を解消することにもつながります。
 以上の趣旨に基づき、次のことを提案いたします。
@ 建築確認の内容及び中間検査、完了検査の結果を公表することを義務化する制度を設ける。
A 分譲マンションは、@の確認・検査結果を公表した建物しか販売できないものとする。
 
3.保証基金制度の設置
 今回のような問題が発生したときに、被害者が確実に救済されるような保証制度を設ける必要があります。建物の瑕疵や欠陥の補修のほか今回のように建物を解体する必要のあるときに、被害を受ける購入者は現在の制度では救済されません。
 そこで、社会制度として保証基金制度を設け、その基金はマンションを販売する不動産業者や同じく建設に携わるゼネコンなどが負担して、購入者が安心してマンションを購入できるようにするために次のことを提案します。
@

マンション販売及びマンション建設に携わる不動産業者や建設業者が費用負担することを前提に、販売や建設にかかる被害者救済を目的とする保証基金の設置
以上