2006年8月1日

NPO法人全国マンション管理組合連合会


住生活基本計画(全国計画)に対する意見

1.意見

@コミュニケーションと合意形成の醸成
 
 2ページの豊かな住生活を実現するための条件の中に「マンションにおけるコミュニケーションと合意形成の醸成」をいれていただきたい。豊かな住生活実現の条件は、ハード的なものだけではなく、ソフト的なものも必要である。


Aストック重視の施策と矛盾する建替え優先策

 5ページの「住宅の合理的で適正な管理等」の基本的な施策として「共同での管理が必要な分譲マンションについて、適切な維持管理及び経過的な修繕を促進するため、マンション履歴システムの普及を図るとともに、建替えに加えて、増築や改修により老朽化したマンションの再生を促進する」とあるが、ストック重視の施策展開の中で、「・・・・・環境問題や資源・エネルギー問題がますます深刻化する中で、これまでの『住宅を作っては壊す』社会から、『いいものを作って、きちんと手入れして長く使う』社会へと移行することが重要である。」という観点で施策が考えられているにもかかわらず、マンションの合理的で適正な管理に関する基本施策の中で、まず建替えを持ってきているのは、ストック重視の施策と矛盾するので削除すべきと考える。改修による再生を優先すべきと考える。


B管理困難住宅への対策

 5ページの住宅の「住宅の合理的で適正な管理等」においては、「住宅の合理的で適正な管理等を通じ、良質な住宅ストックを将来世代へ継承することを目指す。」としているが、すでに高経年化しているにもかかわらず、適切な計画修繕や日常管理が行われず、建物の劣化が進んでいるマンションでは、管理組合の体制も整備されておらず、まともな管理業者も入っていないという状況に陥っている場合が少なくない。このような管理困難なマンションに対する対策や、高経年マンションで居住者の高齢化が進み、世代交代が円滑にいっていないマンションも多く、空室化が進行している。このようなマンションへの対策も、住生活基本計画に入れていただきたい。

C旧耐震基準の建物に対する耐震改修の促進

 5ページの@住宅の品質又は性能の維持及び向上に関する基本的な施策として「大規模な地震や犯罪の危険性に備え、国民の安全・安心を実現するため、耐震診断・耐震改修を促進するとともに・・・・・」と記されているが、旧耐震基準で建てられた建物の耐震改修を促進するための費用助成制度を設けるようにすべきである。


D市場重視の条件は整備されているのか

 3ページで市場重視の施策展開が強調されている。「多様化、高度化する居住ニーズに対応するには、市場による対応が最も効果的である。」と断定しているが、その根拠は示されていない。「業者に比べて専門的知識や経験の少ない消費者・・・」と計画書も指摘しているように、わが国の住宅市場は、消費者の力が弱く、とても健全な市場とは言えない状況にある。そのような状況であるにもかかわらず、市場重視という施策を打ち出すのは、合理性にかけるといわねばならない。市場重視施策を打ち出すためには、市場の一方を形成する消費者が業者と対等な立場に立てるような条件を作っていくことが先決であるので、そのような施策をこの計画書に盛り込んでいただきたい。


Eマンションと賃貸集合住宅を区別する

 この計画書では、担当課に確認したところ、集合住宅に関して「共同住宅」という表現を用いているが、これは賃貸の集合住宅も含めているためとのことであった。分譲マンションと賃貸の集合住宅とでは、管理の方法がまったく異なっており、それをひとくくりにしてしまうのは無理がある。また、「マンション」という用語はマンション管理適正化法で法定化されている。したがって、今後の計画作成にあたっては、「マンション」と「共同住宅」は区別して使用していただきたい。


Fマンションにおける共同施設には管理事務所が必要

 12ページの「1.基本的性能の(2)共同住宅における共同施設」という整理の仕方がされている。しかし、管理組合が建物を管理しているマンションでは、共同施設として管理事務所が必要不可欠であるので、それを加えていただきたい。

以上

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