2005年9月22日
金融庁総務企画局企画課保険企画室御中
特定非営利活動法人法人 全国マンション管理組合連合会
会長 穐山精吾
保険業法施行令・保険業法施行規則等の改正案の骨子(案)に対する意見
私どもは、マンション管理組合団体の全国組織で、1986年4月に設立され現在19年目を迎えております。会員の所在する地域は、北海道、東北、埼玉、首都圏、中部、京都・滋賀、奈良、大阪・神戸、広島、北九州、福岡、長崎、熊本、宮崎の全国に及んでおり、15管理組合団体・2,800管理組合・25万戸で構成されております。
管理行為としての保険
ご承知のとおり、わが国の分譲マンション(以後「マンション」という)は、区分所有法を基本にして管理の方法が定められておりますが、その第18条4項において、「共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなす。」とされております。さらに同法第26条2項において、管理者がその職務について区分所有者を代理し、同法第18条4項の規定に基づいて共用部分にかけられた損害保険契約に基づく保険金の請求および受領を行う、となっております。
このようにマンションにおきましては、共用部分に保険をかけることは、共用部分の管理行為と位置づけられ、その契約及び保険金の請求・受領を管理者である管理組合理事長が行うこと、とされております。
適切な管理行為としての保険になりにくい既存の保険
私どもは、以上のような「管理行為としての保険」というマンションにおける保険の法的位置づけの重要性に鑑みて、この間、各マンションの状況に即した適切な保険設計について、取組みを進めてまいりました。その結果、現在の大手損保会社が扱う保険では、適切な管理行為としての保険を実現していくことが極めて難しいことが判ってまいりました。その原因は二つあります。一つは保険商品の内容、そしてもう一つは営業体制としての代理店方式にあります。各保険会社の保険商品は、いわゆる保険業界が護送船団方式だといわれた時代に作られており、その内容に大差はなく、全国で480万戸といわれるマンションの多様な条件及びニーズに対応するものとしては、あまりにも一面的であるといわなければなりません。建物が抱えるリスクは、築年数、建設工事の良否、立地条件などのほか、管理組合の管理能力によっても大きく異なってきます。管理行為としての保険は、通常の管理ではカバーできない想定外の事象や、想定はできても管理として対応することが不可能な事象に対応するものでなければなりません。しかし、既存の保険商品は、その期待に十分応えるような内容とはなっておりません。ひとことでいえば、現場の具体的なニーズが商品にフィードバックされていないためです。
ニーズがフィードバックされにくい原因は、現在の代理店制度にあります。損保会社の代理店は、マンションだけを扱っているわけではなく、車や1戸建て住宅など様々な保険を扱っており、その一つがマンションであるにすぎません。すなわち、マンション管理の専門知識をほとんど有しない現在の代理店は、具体的な事故例をフィードバックしてあらたな商品に反映させていくだけの能力を身に付けていないのが実状です。
マンションの専門知識に欠ける代理店
マンションのリスクは、単一の保険商品だけで保証できるものではなく、いくつかの保険を組み合わせて対応するのが一般的です。この保険設計を行うときに、そのマンションが置かれているリスクの状況を的確に把握し、それに適応する保険商品を組み合わせることが、適切な管理行為としての保険の実現につながります。しかし、実際の保険代理店は、マンション管理についての専門的知識に乏しく、中には共用部分と専有部分の区別すらできない場合もあります。現場のニーズが的確に保険商品にフィードバックできない原因もここにあります。
このように、代理店がルーチーンワーク的に処理しているマンションの保険契約が、「管理行為としての保険」という本来の目的から大きく外れてしまっている一因となっております。
任意共済制度のメリットを継承できる少額短期保険業者制度へ
保険を取り巻くこのような状況を経験してきた私どもは、それぞれの管理組合に適応した保険を自ら作り出すことが、もっとも現実的で有効な方法であるとの認識を持つに至りました。そして、その具体的方法として着目したのが任意共済制度でありました。しかしながら準備を始めた矢先に今回の保険業法の改正が行われ、任意共済への道が、事実上閉ざされるという現実に遭遇いたしました。
今回の保険業法改正によって、既存の任意共済団体の受け皿として少額短期保業者というものが用意された、と私どもは理解しております。実は、私どもは、この間、既存の任意共済団体と提携してマンション向けの保険商品の企画や管理組合への広報、契約等について共同で進める検討を行ってまいりました。
私どもが、このような選択を行った理由として、任意共済団体が行っている保障制度の内容やニーズ把握の実態が、私どもが目指すものに非常に近いことが判明したためであります。任意共済団体は、一般保険業者のように不特定多数を対象に保証行為を行っているのではなく、任意共済団体の会員となった特定の人たちを対象に共済授業を行い、事業規模も適度のものとなっております。このような条件からユーザーのニーズを的確に把握し、きめ細かな保障内容が用意され、契約に至るプロセスも十分な説明責任が果たせる条件が満たされております。
このような任意共済制度が有する優位性を、この度の少額短期保険業者の制度においても、最大限継承していただき、一般保険者とは異なるニーズに適切に対応できる内容としていただくことを私どもは切に希望いたします。
以上が保険業法施行令・保険業法施行規則等の改正案の骨子(案)に対する私どもの意見であります。ご検討のうえ何卒改正案に取り入れていただきますようよろしくお願い申し上げます。なお、この書面の内容に関するお問い合わせ等は、小会事務局の谷垣までお願い申し上げます。最後に小会の事務局及び加盟する15団体の代表者及び連絡先を以下のとおりお知らせ申し上げます。
【本部事務所】
特定非営利活動法人 全国マンション管理組合連合会 会 長 穐山精吾
事務局 : 〒600-8078 京都市下京区松原通高倉東入る三洋ビル304
TEL: 075-351-7421 FAX: 075-371-1564
E-mail: info@zenkanren.org
担当者 : 事務局長 谷垣千秋
【会員団体】
@社団法人 北海道マンション管理組合連合会 会 長 太田 實
〒060-0001 札幌市中央区北1条西2丁目9番地 オーク札幌ビル4F
TEL: 011-232-2381 FAX: 011-232-3721
A特定非営利活動法人 東北マンション管理組合連合会 会 長 鎌田 坦
〒980-0811 仙台市青葉区一番町1-17-23 シャンボール第二片平104号室
TEL: 022-221-1323 FAX: 022-221-1327
B特定非営利活動法人 日本住宅管理組合協議会 会 長 穐山精吾
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1丁目20番 東京製麺会館3階F
TEL: 03-5256-1241 FAX: 03-5256-1243
C特定非営利活動法人 集合住宅管理組合センター 会 長 犬塚京一
〒162-0807 東京都新宿区東榎町8番地 アサイビル2F
TEL: 03-3269-1139 FAX: 03-3269-1140
D特定非営利活動法人 埼管ネット 会 長 佐々木一
〒336-0017 埼玉県さいたま市南区南浦和3-3-17 豊曜ビル2F
TEL: 048-887-9921 FAX: 020-4664-6209
E特定非営利活動法人 中部マンション管理組合協議会 会 長 片桐忠孝
〒456-8078 名古屋市中区伊勢山2-11-13 サイドビル5FB
TEL: 052-322-9956 FAX: 052-322-9959